冠婚葬祭の催しに、日頃の感謝の気持ちや、お悔やみの言葉をさり気なくお届けできるのが、電報の魅力です。贈る場合には、正しいマナーを身につけましょう。
祝電の贈り方
いつまでに届ければいいのでしょうか?
電報は早めの手配が可能なので、披露宴に間に合うよう、余裕をもって手配しましょう。
- ・午前中の披露宴の場合
- 披露宴の開始に間に合わせるため、前日に式場へ届くように手配します。
ただ、前日が式場の休みや、前日受取ができない式場もありますので、
事前に式場へ問い合わせする方が安心です。
- ・披露宴が午後の場合
- 遅くとも披露宴が始まる2時間~1時間前までには届くようにしましょう。
お受取人(宛名)の名前は、新郎・新婦の連名でも大丈夫でしょうか?
・連名でも、新郎・新婦のどちらかだけでも、間違いではありません。
・ご両人と面識がある場合は、連名で、また面識がない場合は、
面識がある方宛てだけでも問題はありません。
宛名欄には旧姓・新姓のどちらを書くのが正しいのでしょうか?
・旧姓でお送りするのが一般的です。
・たとえ入籍が終わっていても、ほとんどの場合、ご両家のお名前で挙げられますので
旧姓で問題ありません。
・入籍後、何年も経ってからの挙式の場合は、入籍後の名字でも問題ありません。
ご両親宛ての祝電を打つ場合はどうしたらいいのでしょうか?
・お父様(お母様)のお名前を受取人欄に入れます。
・新朗・新婦と名字が違う場合や、ご両親ではなく遠いご親戚宛の場合は、
「○○家(新郎または新婦の名字)気付△△様(実際の受取人)」とします。
(式場側で受取人に該当が無く、行き先不明になるのを防ぐためです)
メッセージ本文での注意
・縁起の悪い言葉や、再婚や再縁をイメージさせる重ね言葉は使わないように心がけましょう。
- あ行
- 相次いで/飽きる/浅い/褪せる/痛ましい/色あせる/失う/薄い/憂い/お釈迦/衰える/終わる
- か行
- 返す/帰る/欠ける/重ねる/変わる/消える/去年/嫌い/切れる/九/朽ちる/繰り返し/苦しい/断る/壊れる
- さ行
- 最後に/再度/裂く/冷める/さらに/去る/四/死ぬ/しまう/退く/葬式
- た行
- 絶える/倒れる/散る/出る/遠のく/閉じる/途絶える/弔う/とんだこと/とんでもない
- な行
- なお/流れる/泣く/亡くなる/逃げる
- は行
- 果てる/放す/離れる/冷える/伏す/再び/ほころびる/仏/ほどける/滅びる
- ま行
- 参る/負ける/戻る
- や行
- 破る/病む/弱る
- わ行
- 別れる/割れる
・再婚などを連想させるので同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」にも注意!
- あ行
- いろいろ
- か行
- かえすがえす/重ね重ね/くれぐれ
- さ行
- しばしば/重々
- た行
- たびたび/次々
- ま行
- ますます/またまた/皆々様
結婚式のお祝いに使える文例のサンプルは、メニューの「文例集」をご参考ください。
一般的に春(4~5月)や秋(10月頃)には大きな人事発表などがあり、日頃の感謝と祝福の気持ちを電報で贈ります。
いつまでに届ければいいのでしょうか?
人事・就任のお祝いの場合は、必ず正式な辞令が発表されてからお祝いをします。辞令が出てから1週間以内には、お祝いの気持ちをお届しましょう。
内定でお祝いする場合
内定された方へお祝いの電報を手配する場合は、宛名の役職は就任前のものでお贈りするのが一般的です。
勲章 … 春秋叙勲などを中心にいくつかの種類の勲章があります。
- 春秋叙勲/危険業務従事者叙勲
- 授与日:4月29日、11月3日
- 高齢者叙勲
- 授与日:毎月1日
- 死亡叙勲
- 授与日:随時
- 外国人叙勲
- 授与日:4月29日、11月3日
※ただし場合により随時の授与
文化勲章 … 文化勲章は、我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章です。
授与日:11月3日
褒章 … 春秋褒章などを中心にいくつかの種類の褒章があります。
- 春秋褒章
- 授与日:4月29日、11月3日
- 紺綬褒章
- 授与日:随時
- 遺族追賞
- 授与日:随時
叙勲褒章での電報の贈り方
・叙勲、褒章はその種類や名称が多いですので、章(賞)の名称を間違わないように文章などを気をつけましょう。
・授与式の当日中のお届けか、2~3日以内のお届けを心がけましょう。
・叙勲の「じゅしょう」と表彰の「じゅしょう」は漢字が違います。
叙勲の「じゅしょう」は「受章」
表彰の「じゅしょう」は「受賞」
を使用します。 「章」と「賞」の違いに気をつけて申込みしましょう。
叙勲褒章のお祝いに使える文例のサンプルは、メニューの「文例集」をご参考ください。
弔電の贈り方
いつまでに届けるの?
・通夜までに届けましょう。遅くても葬儀の前までには届くように手配するのがマナーです。
・手配が早すぎると通夜の場合、親族不在で届かない場合や、斎場で受取が出来ない場合などがあり、送り先に失礼にあたりますので、通夜や葬儀の時間を確認して手配するようにしましょう。
誰宛におくればいいのでしょうか?
・葬儀などを執り行う斎場や会館は、喪主様のお名前、故人のお名前で、葬儀を管理しています。
受取人は「喪主」のお名前でお届けしましょう。
・喪主以外の方に電報をお届したい場合は、必ず電報のお届け先宛名(お受取人名)の部分に、『○○(喪主名)様方 △△(渡したい人)(様)』とわかるように手配します。
本文中の故人への敬称はどうしたらいいの?
・弔電の際には、受取人である喪主と故人の関係で、様々な敬称の言い回しがあります。一般的な例を記しましたので、ご参考ください。
故人の敬称 | 故人と受取人との関係 |
---|---|
ご尊父(そんぷ)様/お父様 | 受取人の実父の場合 |
ご母堂(ぼどう)様/お母様 | 受取人の実母の場合 |
ご岳父(がくふ)様 | 受取人の奥様のお父様の場合 |
ご岳母(がくぼ)様 ご丈母(じょうぼ)様 ご外母(がいぼ)様 |
受取人の奥様のお母様の場合 |
ご主人様/ご令室様 | 受取人の配偶者の場合 |
ご令兄様/ご令弟様 ご令姉様/ご令妹様 |
受取人の兄弟(姉妹)の場合 |
送り主名が連名の場合の注意事項はありますか?
受け取りになる喪主の方は、「故人」と送り主である「あなた」との関係がわからなくなり余計な
気遣いを与える場合があります。
会社の名前で送られる場合はお仕事関係でのお付き合いとわかりますが、個人名(または連名)で送られる場合、故人との関係がわかるように、差出人名の横に一言添えてあげるのが親切です。
例) 慶弔 太郎(○○大学 ○○年卒 学友)
例) ○○○○株式会社 ○○年入社同期一同
電報本文の注意事項はありますか?
・「重ね重ね」や「たびたび」など繰り返す言葉は、不幸を繰り返すことを想起させる、「忌み言葉」となりますので、注意するようにしましょう。
- 不幸が続くことを連想させる言葉
- 重ね重ね/たびたび/いよいよ/またまた/次々/ますます/つくづく/返す返すも/再三再四/重々/皆々様/再び/再度/また/つづいて/負って/つづける/繰り返す/重ねる
- 悪いことを連想させる言葉
- とんだこと/とんでもないこと
- 音が不吉な言葉
- 九(苦しむに通じるため)/四(死に通じるため)
- 直接的に生死をあらわす言葉
- 死亡/死ぬ/生きている
- 神道やキリスト教には不適切な言葉
- 冥福を祈る/ご愁傷様/供養/成仏/往生/冥途
お礼状としての電報の贈り方
電報は、即日お届けも可能な種類のものも多く、直接相手の手元にお届けできることから、お礼状やお中元、お歳暮などの返礼のメッセージツールとしてもお使いいただけます。
いつまでに届ければいいのでしょうか?
お中元やお歳暮をいただいた際のお礼状は、頂いたらなるべく早く(ハガキであれば2~3日中)に、お届けできるよう手配します。
電報であれば、頂いたその日のうちにお礼状としてお届けすることも可能です。
お礼状としての電報の一般的な内容は?
文章は社交儀礼文と同じ構成要素で書くのが一般的ですが、電報でのお礼状の場合、文字数や行数に限りがあるので、頭語と結語を省略する場合があります。
- ◇一般的な社交儀礼文の構成要素
-
- 頭語
- 拝啓/謹啓 など
- 前文
- 時候(じこう)を含むあいさつ文
- 本文
- さて~、や、ところで~などの接頭語を入れてから本文を始めます
- 末文
- 乱筆の陳謝、あいさつ文
- 結語
- 頭語の対語として使用します。敬具/謹言 など
- (お礼状の文例)※頭語/結語を省略した例
- 寒さ厳しき折、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。おかげさまで私たちはいたって元気に過ごしております。
さて、本日はお心のこもったお品を頂き、本当にありがとうございました。いつもながら細やかなお心づかいに恐縮するばかりです。
この寒気もさらに強まりそうですので、どうかご自愛いただき、よいお年をお迎えになりますようお祈りいたします。
お中元・お歳暮のお返しは?
お歳暮は普段お世話になっている方への「お礼」であり「お祝い」ではありませんので、お返しは必要ありません。ただし、友人や同僚などの場合は、頂いた品物と同程度のモノを「お年賀」としてお贈りしましょう。
お中元の場合、7月15日から立秋までのお返しには「暑中御見舞」、立秋以降のお返しには「残暑御見舞」と書き記します。
どちらの場合も、お礼状は必要となりますので、頂いた感謝の気持ちと、無事に届いたお知らせをするようにしましょう。
お礼状などの文例のサンプルは、メニューの「文例集」をご参考ください。